悪夢の種まき所

悪夢に見た『人物』を、創作のキャラクターに変えるヒント

Tags: 悪夢, 創作, キャラクター, アイデア, 人物

悪夢に登場する人物というのは、時に現実では出会えないほど強烈な印象を残すものです。顔の見えない影、異様な姿形をした存在、あるいは知っているはずなのに全く違う雰囲気の誰か。目が覚めても、その姿や纏っていた空気が脳裏に焼き付いて離れない、そんな経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

こうした悪夢の人物は、怖い、不気味といったネガティブな感情を伴うことが多いかもしれません。しかし、見方を変えれば、これほどユニークで、あなたの内面から生まれた創造性の塊のような素材は他にありません。特に、「創作を始めたいけれど、どうもキャラクターのアイデアが浮かばない」「ありきたりな人物像しか出てこない」といった悩みを持つ方にとって、悪夢の人物はまさにアイデアの宝庫となり得ます。

この記事では、悪夢に見た人物をどのように記録し、それを創作における個性豊かなキャラクターへと変えていくための具体的なヒントをお伝えします。

悪夢の人物を「素材」として記録する

まず第一歩は、悪夢の内容を忘れてしまう前に、登場した人物に関する情報をできるだけ詳しく記録することです。ここで重要なのは、恐れや混乱といった感情は一旦脇に置き、観察者として冷静に(あるいは、感情も含めてそのまま)情報を書き出すという視点です。

どのような点を記録すれば良いでしょうか。

記録の方法は問いません。ノートに書き出す、スマートフォンのメモアプリを使う、簡単なスケッチを描くなど、あなたが最も手軽に続けられる方法を選びましょう。キーワードだけでも構いません。後で見返したときに、悪夢の情景を思い出す手助けになれば十分です。

記録した人物情報を創作のキャラクター要素に分解・変換する

次に、記録した悪夢の人物情報を、創作におけるキャラクター作りの要素に分解し、新たな視点から捉え直していきます。

これらの要素を組み合わせ、「なぜその人物は悪夢に現れたのか?」という推測も加えることで、単なる「怖い夢の人物」から、「こういう背景があり、こういう性格で、物語でこういう役割を果たすキャラクター」へと肉付けしていくことができます。

アイデアを広げ、深めるための視点

分解・変換したアイデアをさらに豊かにするために、いくつかの視点を試してみましょう。

悪夢の人物は、あなただけの創造力の源泉

悪夢に登場する人物は、あなたの心の奥底や潜在意識が作り出した、唯一無二の存在です。それは単にあなたを怖がらせるためだけにあるのではなく、あなたの内なる創造性が形になったものとも言えます。

悪夢を見た後に感じる嫌な感覚を、記録し、分解し、遊び心を持って組み替えてみる。このプロセスを通じて、あなたは自分だけのユニークなキャラクターを生み出すことができます。最初は断片的なアイデアでも構いません。そこから物語が生まれ、世界が広がっていくかもしれません。

悪夢の人物は、乗り越えるべき対象ではなく、創造のパートナーです。怖れずに、彼らがあなたに何をもたらしてくれるのか、探求してみてはいかがでしょうか。あなたの悪夢から、忘れられないキャラクターが生まれることを願っています。